500万円以上の建設工事を行う場合、建設業許可が必要というのはほとんどの事業者様はご存じかと思います。今回は、建設業を施工できる金額の上限をみていきたいと思います。受注金額の上限は一体いくらなのか?というところを解説していきます。

建設業許可とは

500万円(税込)以上の建設業を請負うには建設業の許可が必要です。逆をいえば、500万円(税込)未満の建設業を請負う工事しかしないのであれば建設業許可は必要ありません。

しかし現状は、建設業許可を持っていないと契約できなかったり、元請けから仕事をもらえなかったりするというケースが多々あります。また許可を持っていると社会的信用が高くなり、融資に有利になったりもします。

建設業許可は必ず必要ではありませんが建設業許可を取得することによって様々なメリットがあります。

建設業許可を持っていれば請負金額の上限はない?

建設業許可を取得すれば500万円以上の工事も受注することができる。だけどいくらまで受注できるのだろう?受注金額の上限はあるのだろうか?という疑問が出てくると思います。

ここでのキーポイントは元請け会社が下請け会社に出す金額によって変わってきます。

実際、受注の上限はありません。いくらでも受注しても良いのです。ただし、下請けに出さないで自社ですべて工事を完了することができればということです。

要は、下請けに出さないで自社ですべて完工すれば、いくらでも高額な工事の受注ができますが、下請けに工事を出す場合は金額の上限があるということです。

その条件は許可の種類(一般建設業許可か特定建設業許可)で変わってきます。

許可の種類によっての受注金額の上限の違い

許可の種類は一般建設業許可と特定建設業許可に分かれます。現在、約90%は一般建設業許可業者です。

一般建設業許可の場合

発注者から直接請負った1件の建設工事(元請工事)につき4,000万円以上(建築一式工事については6,000万円以上)(消費税込み、元請けが提供する材料等の価格は含まない)の工事を下請けに出さない場合は一般建設業の許可を受けることになります。

たとえば、一般建設業許可を持っている建設会社が、20億円の建築一式工事を受注しました。一切下請けの協力を得なく、自社のみで施工し工事を完了することはほぼ不可能です。もし仮に20億円の工事を自社のみでできるのであれば問題ありません。

しかし、現実は自社のみでは不可能に近いため、たくさんの下請け会社にお願いすることになります。仮に20億の建築一式工事をして50社の下請け会社に合計18億の工事をお願いしました。その場合は特定建設業の許可が必要になります。

一般建設業の場合は下請けに出す金額の合計が4000万円(建築一式工事だと6,000万円)(税込)未満であれば良いということです。それ以上であれば特定建設業の許可が必要になるということです。

注意点として元請け→一次下請けの場合ということです。一次下請け→二次下請けの場合は関係ありません

特定建設業の場合

発注者から直接請負った1件の建設工事(元請け工事)につき4,000万円以上(建築一式工事については6,000万円以上)(消費税込み、元請けが提供する材料等の価格は含まない)の工事を下請けに出す場合は、その元請け会社は特定建設業許可を受けなければなりません。

何度も繰り返しますがキーポイントは元請け会社が下請け会社に出す金額です。

下請けに出さず自社で全部できるというのであれば、受注金額が高額になったとしても特定建設業許可を取得せず一般建設業許可で問題ありません。

しかし、下請け会社の力がどうしても必要である場合は、特定建設業許可を取得すれば、いくら金額が高額になったとしても問題ありません。

ただし、特定建設業許可を取得するのには、一般建設業許可を取得するよりもかなり厳しい条件があり、簡単に取得できる許可ではありません。

まとめ

今回は建設業許可を取得すると受注金額はいくらまで良いのか?という内容について解説させていただきました。

キーポイントは下請けに出す金額によるというところです。

一般建設業許可、特定建設業許可を取得していれば、受注金額の上限はありませんが下請けに出す金額によって上限があるので注意が必要です。下請け金額が4,000万円(建築一式工事で6,000万円)以上の工事を行うのであれば、特定建設業許可を取得してください。

以上、今回は受注金額の上限について解説しました。

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