建設業許可の業種は全部で29業種あります。事業者様によっては、1業種のみで建設業許可を取得する事業者様もあれば、複数の業種で許可を取得する事業者様もいらっしゃいます。

建設業許可を新規で取得して、何年かしてからやはり違う業種も必要であり、追加することは当然できます。

ただし、許可業種を後からどんどん追加していくと、業種ごとに有効期限が異なり、更新時の費用や手続きに対する労力が多くかかってきます。

そこで、許可を一本化すれば更新時の費用や労力も低減することができます。

今回は許可の一本化について解説します。

許可の1本化とは何?

例えば建設業許可を新規で取得しました。業種は内装仕上工事業で令和2年12月15日に取得したとします。

内装仕上工事業の仕事をしていましたが業務拡大で建具工事の仕事をするようになりました。よって専任技術者になることができる者が会社にいるため、建具工事の建設業許可を令和4年1月15日に取得しました。

無事、建具工事業の許可を取得することができ、内装仕上工事業と建具工事業の許可を取得することができました。

しかし、内装仕上工事業は令和2年12月15日に取得しているため、有効期限は5年間なので令和7年12月14日になります。

建具工事は令和4年1月15日に取得しているため、令和9年1月14日になります。

ここでの問題点として

  • 内装仕上工事業と建具工事業の有効期限が違う
  • 通常は5年に1回だが、2年後に再度、有効期限を管理しなければいけない
  • 有効期限を管理するということは、更新をしなければならないため、更新費用がその都度かかる。

今回の例は、2業種のみなのであまり大したことが無いように思うかもしれませんが、会社として事業拡大を目指し、業種を追加していくことによって、せっかく拡大したのに、有効期限の管理だったり、余計なコストを支払うことになり、負担が大きくなってしまいます。

そこで、許可有効期限を合わせて、事業者様の負担を減らすことができるシステムが許可の一本化というものです。

バラバラであった有効期限を同じにすることで、管理の手間が減り、更新時に払っていたコストも少なく済むので、事業者様にとってメリットを感じるシステムとなります。

許可を1本化する方法

許可を一本化する方法は2パターンあります。

  • 更新時に許可を一本化する方法
  • 業種追加時に許可を一本化する方法

それでは詳細を見ていきましょう。

更新時に許可を一本化する方法

現在、建設業許可を取得している業種と有効期限が

  • 内装仕上工事業  有効期限 令和7年12月14日
  • 建具工事業    有効期限 令和9年1月14日

とします。

以上の例でいくと、内装仕上工事業の方が建具工事業より約2年前に有効期限が来ますので、更新を先に行わなければなりません。ただ、2年後にまた建具工事業の更新があるため、内装仕上工事業の更新の際に、建具工事業も一緒に更新をしてしまおうという方法です。

一見すると、建具工事業はまだ2年間も有効期限が残っているため、早く更新するのはもったいない気がしますが、更新時毎に手数料や行政書士報酬がかかってきます。

例えば、許可を一本化しないで、内装仕上工事業と建具工事業を別々に更新すると、内装仕上工事業の更新時に手数料50,000円+行政書士報酬、建具工事業更新時に手数料+行政書士報酬がかかってきます。

もし、許可を一本化すれば、内装仕上工事業の更新時に建具工事業も同時に更新することになるので手数料は50,000円+行政書士報酬になります。

今回は2業種のみでしたが、4業種も5業種も許可を取得していて、有効期限が異なると更新の手数料だけで20万円~25万円もかかってしまうこともありますので、一番初めに更新を迎える業種のタイミングで許可を一本化すると、今後、事業者様にとってコストを抑える事ができ、とてもメリットが高いです。

業種追加時に許可を一本化する方法

現在、建設業許可を取得している業種と有効期限が

  • 内装仕上工事業  有効期限 令和7年12月14日

であるとします。

ここで、新たに建具工事業を業種追加で取得したいとします。

建具工事業を業種追加するタイミングで、内装仕上工事業の更新手続きを一緒に行うという方法です。

この場合は、建具工事業の業種追加手数料が50,000円と内装仕上工事業の更新手数料が50,000円の合計100,000円+行政書士報酬になります。

内装仕上工事業の他に違う業種の許可を持っていた場合でも業種追加の際に同時に更新してしまえば、手数料は更新時1回の手数料50,000円で済みます。

更新期間の短縮にはなりますが、結果的にコストが抑えられるため、こちらの方法もメリットが高いです。

ただしこの場合、注意が必要なのが、現在取得している許可の有効期限に注意が必要です。

例えば下記のような有効期限だった場合

  • 内装仕上工事業  有効期限 令和7年12月14日

知事許可であれば令和7年9月14日、大臣許可であれば令和7年6月14日より前でないと許可の一本化することができません。

  • 知事許可の場合 残っている有効期限が3か月以上(自治体によるので要確認)
  • 大臣許可の場合 残っている有効期限が6か月以上

以上の有効期限が残っていないと業種を追加すると同時に更新をして許可の一本化をすることができないので注意してください。

まとめ

今回は建設業許可業種をまとめる許可の一本化について解説しました。

事業拡大により、建設業許可の業種を追加していくと、有効期限がバラバラになり、毎年建設業許可を更新しなければならない、なんて事が起きるかもしれません。それは忙しい事業者様にとって負担になりますし、無駄な費用をかけることになります。

現在、建設業許可の業種の有効期限がバラバラな事業者様は、ぜひ一度、許可の一本化を検討してみてはいかがでしょうか。

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