これから、解体工事業に携わりたいが、解体工事業登録と建設業許可の解体工事業があるけど、どちらを取得した方が良いの?というご質問が近年多くなってきました。

解体工事と言ってもマンション、ビル、戸建て住宅、倉庫、内装と色々な解体工事があります。

注意してほしいのは、これらの解体工事は解体工事業登録もしくは建設業許可がなければ仕事をすることができません。

ですので解体工事に携わる場合は解体工事業登録もしくは建設業許可が必要になってきます。

よって今回は解体工事業登録と建設業許可は何が違うのか?というテーマについてご説明します。

法律の違い

まず、解体工事業登録と建設業許可とは根拠となる法律が異なります。

解体工事業登録・・・建設リサイクル法

建設業許可・・・建設業法

建設リサイクル法(正式名称:建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律)

特定建設資材に係る分別解体等及び特定建設資材廃棄物の再資源化等の促進等を目的する。

主な目的は

  • 建設物等に使用されている建設資材に係る分別解体等及び建設資材廃棄物の再資源化等の義務付け
  • 発注者又は自主施工者による工事の事前届出、元請業者からの発注者への書面による報告の義務付け
  • 解体工事業者への登録制度や技術管理者による解体工事の監督

建設業法

第1条 この法律は建設業を営む者の資質の向上、建設工事の請負契約の適正化等を図ることによって、建設工事の適正な施工を確保し、発注者を保護するとともに、建設業の健全な発達を促進し、もって公共の福祉の増進に寄与することを目的とする。

主な目的は

  • 建設工事の適正な施工の確保
  • 発注者保護
  • 建設業の健全な発達の促進
  • 公共の福祉の増進に寄与

請負工事金額の違い

解体工事業登録

500万円(税込み)未満の解体工事

建設業許可

500万円(税込み)以上の解体工事もOK

尚、建設業許可の方が取得が難しいため、建設業許可の「土木工事業、建築工事業、解体工事業」の許可を取得されている事業者は解体工事業登録の必要はありません。

施工可能な場所の違い

解体工事業登録

登録を受けた都道府県

建設業許可

全国どこでも可能

要件の違い

解体工事業登録要件

解体工事登録要件は2つあります。

1.技術管理者の選任

資格取得または8年(学歴による)以上の実務経験

2.不適格要件に該当しないこと

不適格要件とは

1.解体工事業の登録を取り消された日から、2年を経過しない者
2.解体工事業の登録を取り消された法人において、その処分日の前30日以内にその解体工事業者の役員であった者で、その処分のあった日から2年を経過しない者
3.解体工事業の事業停止を命ぜられ、その停止期間が経過していない者
4.建設リサイクル法に違反して罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者
5.暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第2条第6号に規定する暴力団員又は同号に規定する暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
6.法人の場合で、その役員の中に上記のいずれかに該当する者がいるとき
7.法定代理人がいる場合で、その法定代理人が上記のいずれかに該当するとき
8.技術管理者(法第31条に規定する者)を選任していない者
9.暴力団員等がその事業活動を支配する者

建設業許可要件

建設業許可要件は6つあります。

1.建設業に係る経営業務の管理を適正に行うに足りる能力を備えていること(常勤役員等)

建設業の経営経験が5年以上の事業主または常勤の役員がいる

2.適切な社会保険に加入していること

適用除外になる場合を除いて適切な社会保険に加入していなければならない

3.専任の技術者がいること

業種に必要な国家資格者又は10年以上(学歴による)の実務経験があるものが営業所に常勤している

4.請負契約に関して誠実性があること

請負契約に関して、不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないことが必要

5.請負契約を履行するに足る財産的基礎又は金銭的信用があること

自己資本500万円以上又は500万円以上の資金調達能力がある

6.欠格要件に該当しないこと

欠格要件に該当しないこととは

1.許可申請書又はその添付書類中に重要な事項についての虚偽記載がある
2.許可申請書又はその添付書類中に重要な事実の記載が欠けている
3.精神の機能障害により建設業を適正に営むに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者
4.破産手続き開始を受け復権を得ない者
5.不正の手段により建設業許可を受けたこと等により、その許可を取り消されその取消しの日から5年を経過しない者
6.建設業の取消を免れるために廃業の届け出をしてから5年を経過しない者
7.建設工事を適切に施工しなかったために公衆に危害を及ぼした者、あるいは危害を及ぼすおそれが大である者
8.請負契約に関し不誠実な行為をしたこと等により営業停止を命ぜられ、その停止期間が経過しない者
9.禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、またはその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者

10.一定の法律違反により罰金刑を処せられ、その刑の執行が終わり、またはその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者

11.暴力団員、または暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者

12.暴力団員等がその事業活動を支配する者

手数料の違い

申請内容申請手数料
解体工事業登録 新規33,000円
建設業許可 新規90,000円
解体工事登録 更新26,000円
建設業許可 更新50,000円

上記他に行政書士に依頼する場合は別途報酬費用が発生します。

登録後の違い

解体工事業登録

  1. 5年に1回の更新
  2. 事務所、現場に看板の表示
  3. 帳簿の備え付け(解体工事ごと)

建設業許可

  1. 5年に1回の更新
  2. 事務所、現場に看板の表示
  3. 決算日から4か月以内に事業年度終了報告を提出(毎年)

まとめ

今回は解体工事業登録と建設業許可は何が違うのか?というテーマについて詳しく解説しました。

いかがでしたでしょうか?

解体工事は他業種と異なり、500万円未満の工事でも解体工事業登録をしなければなりません。

ただし、建設業許可を取得するよりもハードルは低いです。解体工事業を行いたいけど、建設業許可の要件はまだクリアすることができない事業者様は、まずは解体工事業登録をして、500万円未満の工事を行いながら実績や経験を積み、将来的に建設業許可を取得されることがよろしいかと思います。

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