建設業許可には一般建設業許可と特定建設業許可の2種類があります。

許可取得の割合としては一般建設業91%、特定建設業9%とほぼ一般建設業で取得しています。

最近、特定建設業って何?

元請けから特定建設業を取ってくれないかとか会社を成長させるために特定建設業許可を取ったほうがいいのか?

と言ったご意見をお聞きしますので、今回は特定建設業のことについて解説していきます。

特定建設業とは

発注者から直接請負った1件の建設工事(元請工事)につき合計4,500万円以上(消費税込)(建築一式工事の場合は7,000万円以上)の工事を、下請に出す場合はその元請業者は特定建設業の許可を受けなければなりません。

自ら請負って施工する金額については一般・特定とも制限はありません。

例として今回はR工業(専門工事会社)が特定建設業許可を取得したいが特定建設業許可がほんとに必要なのかを確認するため6つのパターンを見ていただき、どのパターンが特定建設業許可が必要か確認してください。

例1 元請会社Aより8000万円の仕事をR工業が受注し、R工業は孫請けに仕事を出さず自社で施工をする場合

例2 元請会社Aより8000万円の仕事をR工業が受注し、R工業7,000万円で孫請けのB内装とC設備に仕事を出し施工をする場合

例3 元請会社Aより8000万円の仕事をR工業が受注し、R工業3,000万円で孫請けのB内装とC設備に仕事を出し施工をする場合

例4 元請会社がR工業になり、お客様よりより1億円の仕事を受注し、すべて自社にて施工をする場合

例5 元請会社がR工業になり、お客様よりより1億円の仕事を受注し、下請けのB内装、C設備に8,000万円の仕事を出し施工をする場合

例6 元請会社がR工業になり、お客様よりより1億円の仕事を受注し、下請けのB内装、C設備に3,000万円の仕事を出し施工をする場合

以上6つのパターンを見ていただきました。特定建設業許可が必要なものは5番のみになります。発注者から直接請負った1件の建設工事(元請工事)につき合計4,500万円以上(消費税込)の工事を、下請に出す場合はその元請業者は特定建設業の許可を受けなければならないということがわかりましたでしょうか?元請の場合のみが対象になってくるということが今回の【キモ】ですね。

要件1 金銭的要件

①欠損の額が資本金の20%を超えていないこと

欠損の額とは、貸借対照表の繰越利益剰余金がの場合にその額が資本剰余金、利益準備金及びその他利益剰余金の合計を上回る額を言います。

②流動比率が75%以上あること

流動比率の計算式は 

流動資産合計÷流動負債合計×100≧75%

貸借対照表を見て上記の式にあてはめ、75%以上になればOKです。

③資本金の額が2,000万円以上であり、かつ資本の額が4,000万円以上であること

資本の額とは貸借対照表の純資産の額です。

以上、金銭的要件で①~③をすべてクリアしなければなりません

要件2 技術者要件

①資格を有する者

特定建設業許可の専任技術者は基本的には1級の建築士または施工管理技士が必要になります。

②指導監督実務経験を有する者

発注者から直接請負い(元請)、その請負代金の額が4,500万円以上であるものに関し 2年以上の指導監督的実務経験を有する者

※指導監督的実務経験とは建設工事の設計又は施工全般について、工事現場主任者又は工事現場監督者のような 資格で工事技術面を総合的に指導監督した経験を言います。

事前に役所との打合せが必要です。

まとめ

今回は特定建設業許可を取りたいと思ったときに確認してほしいことをまとめてみました。

基本的には金銭的要件と技術者要件をクリアすれば特定建設業許可は取得することができますが、元請が下請に出す金額で特定建設業許可が必要かどうか判断されますので、元請ではなく、ずっと下請で工事を行う場合は特定建設業許可は必要ありません。ですから特定建設業が必要かどうかをまず判断してもし必要であれば、取得に向けて要件を確認していけばよろしいかと思います。

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