近年、夏は厳しい暑さです。今やエアコンは熱中症予防のためにも必ずつけてくださいと言われているくらい必需品になりました。

家電量販店に行くと、いくつものエアコンが並び、夏の時期は店員さんがお客様対応に追われていて大忙しです。

今の時代、インターネットで購入して、工事だけをエアコン取付できる業者に頼むことも簡単にできるようになりました。

ただし、エアコン取付工事は条件があり、誰でもできるわけではなく、電気工事士の資格を持っていてもできないこともあります。

よって今回は、あまり知られていない、エアコン工事と電気工事業登録の関係について詳しく説明します。

エアコン工事は電気工事業法に基づく手続きが必要

家庭用エアコンの設置の工事を事業として行う場合※1には、

「電気工事業の業務の適正化に関する法律」に基づく手続き(登録又は届出)が必要です。

また、エアコンの修理の工事を事業として行う場合※2も同様です。

※1エアコンの販売に付随して販売業者が行う局部的な配線工事を除きます。

※2エアコンの室内機と室外機の間の内外接続線の脱着など、電気工事を伴う場合に限ります。

引用:経済産業省HPより

要は、家庭用エアコン工事を行う場合、第二種電気工事士を持っていても、事業として行う場合(お金が発生する場合は)電気工事業登録が必要だということです。

家電量販店の社員が直接、エアコン取付をする場合は電気工事業登録・届出の必要はありませんが、ほとんどの場合、家電量販店から1次下請け、2次下請けに仕事の依頼があります。

よってこれらの1次下請け、2次下請けに関しては必ず電気工事業登録・届出をしなければなりません。

エアコンの作業範囲に対する電気工事法の対象作業

エアコンを取り付ける作業でも様々な作業があります。

以下は経済産業省が出しているエアコン設置・修理に係る電気工事業法の対象となる主な作業の図です。

引用:経済産業省HPより

エアコンを取り付けるためには必ず内機と外機を接続する線が必ず必要になります。

エアコンの内機と外機の電源線の抜き差し工事は軽微な工事にあたり、電気工事士の資格は不要です。

ただし、その線を接続するためには電気工事業登録は必要となります。

つまり、線をつながないとエアコンは動かないため、エアコン工事を行う場合には、電気工事登録・届出が必要ということです。

電気工事業登録とは

電気工事業を行おうとする方は【電気工事業の業務の適正化に関する法律】により営業所所在地を管轄する都道府県知事により登録を受けなければなりません。

電気工事士の資格を持っていても、会社や個人事業主が業(お金をもらって仕事をする)として電気工事を行う場合は必ず電気工事業登録を受けてください。

電気工事業登録についての詳しい説明はこちら

まとめ

エアコンは今や生活必需品になっています。

エアコンを取付するには電気工事士の資格はあった方が良いですが、必ずしも必要ではありません。

ですが、業として行う場合のエアコン取付工事は電気工事業登録は必ずしなければなりません。

自分の家にエアコンを取付たり、知り合いの家に無料でエアコンを取付してあげたりする分には構いませんし、家電量販店の社員が直接、お客様にエアコンを取付することは問題ないですが、業(仕事としてお金をもらう)としてエアコンを取付する場合は必ず電気工事業登録が必要になります。

現在、エアコン取付の講習やセミナーなども増えてきています。そういった講習やセミナーで学び、エアコン取付職人になって独立して稼ぎたい方やYouTubeなどのエアコン取付動画を参考にして自分でもできそうだから、エアコン取付職人になるという方もいるのではないでしょうか?

ただし、少し待ってください。

エアコンの取付工事は電気工事業法により電気工事業登録をしなければ業として取付することができません。

電気工事業登録をすることはできるのでしょうか?

電気工事業登録の要件として、主任電気工事士を設置しなければなりません。

主任電気工事士の設置は電気工事業登録をする上でなかなか難しい要件があります。

次回はエアコン工事と電気工事業登録の関係をもう少し掘り下げて、主任電気工事士設置の要件を見ていきます。

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